命を大切に

先日、農業新聞に「牛、高い受胎率」と題して研究グループが、真っすぐに泳ぐ精子より蛇行して泳ぐ精子の方が牛の受胎率が高いことを見つけ、泳ぎ方で精子を選別して集める器具も開発されたとの記事があった。私は現在、酪農経営をしている。酪農経営の成否は乳牛1頭1年1産が目標である。その基本は授精、受胎にある。家畜人工授精師の免許を取得して60年になる。その間の授精頭数は延べ94頭ほどになる。人工授精技術の進歩はめざましく、現在は雌雄判別された精液、雌の受精卵移植など酪農経営への貢献は計りしれない。

我家では数年前に雌の授精卵移植で県内で第1号の乳用牛の雌が誕生している。過年、福島県で開催された家畜人工授精講習会で講師の先生はこのあと産婦人科の先生方へ受精卵移植についての講義に出かけると話していた。人間の授精卵移植を家畜の「牛」で確実に成功してからだと思う。故に生命工学の最先端は畜産界だと思っている。

精子を顕微鏡で見ると何千万という精子が渦をまいて泳いでいる。それを目視でプラス1、プラス2などと活力を表し、活力の高い精子ほど良い精子である。精子は雌の胎内に入るとより一層活力を増すそうだ。生ある私たちは何億の精子の中から選ばれ母胎に着床し、そして生れ出た者である。故に改めて命の大切さを痛感し、感謝の気持ちをいただき、自分の命、他人に対しても命の大切さを尊重しなければならないと思う。


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