55年ほど前、私は稲作2ha、乳牛14頭、家畜人工授精開業の3本柱で農業経営をしていた。そんな時、選択的農業経営が唱えられた。稲作専業、畜産専業など効率的投資でなければと云う事であった。しかし私はどうしても単一大型専業経営に踏み切れなかった。
私は少年の頃、両親を亡くし孤児となり、叔父の家で約6ヶ年ほど養育された。叔父は稲作、畜産(乳牛・豚・鶏)、園芸を組合せた農業経営を展開していた。すべてムダなく循環していた。また生活改善にも力を入れていた。それらを「立体農業」と称していた。特に「土づくり」に力を入れていた。
私は19歳の時、叔父の許しをうけ水田1.4ha、馬1頭で農業経営のスタートを切った。生活を支えてくれたのは、先祖よりの水田のおかげだった。私の農業は水田が基本である。現在水田9ha、乳牛28頭、農産物直売所の3部門を組み合わせて循環型を理想としている。ところが最近、思わぬ事に直面している。牛糞の処理だが、今まで自家の田畑と近隣園芸農家への配達で全部処理出来たが、最近余り始めた。月にダンプ1台分ほど余り始めた。改めて何事も「終末処理」の大切さを痛感している。色々な解決方法があるので、何としてでも解決したいと考えている。何事も「終末処理」が大切だと云う事に気づいた。