ファームサルートからのお知らせ

ファームサルートからのお知らせ

昭和三十年中頃、私が酪農を始めたころ、北海道酪農の先駆者である町村敬貴氏(先代は福井県旧武生市出身)の著書の中に『危険分散』についての記述を読んだ。

農作業場、牛舎、農具舎など、一棟一棟を離して建てることにより危険分散できるとあった。私は、別に意識していた分けでは無かったが、私の農業経営、建造物など結果的に分散させていた。

私の農業経営は、稲作、酪農、店舗(加工・直売)の三つの部門で成りたち、建造物も住宅、農作業場、牛舎、店舗も分散している。分散させると経営の効率性からはプラスとは云えない。また、一つの経営部門に集中すると、他の部門が停滞したり失敗する事がある。

それには、山の上から下を見下す様な感じで、農業経営に取り組み、総合的な判断力が必要である。時折失敗し反省する事もある。今も自問自答しながら取り組んでいる。ただ、それを楽しんでもいる。

二十七年前に牛舎が全焼した事がある。牛舎から4メートル離れて農具舎があり、中のトラクターを出そうとした時、消防長が「消し止めることが出来る、出さなくても良い」と叫んだのを覚えている。たった4メートル離れていただけで延焼を防げた。今も農具舎として使っている。

日本の大企業の海外での経営展開を、前から一国集中でなく、多数の国での経営展開が良いと思っている。そして硬軟おりまぜた手腕が必要と思う。