先日、新聞記事で、ある小学校で給食に出していた「牛乳」の飲用を廃止したとの記事を読んだ。理由は、給食に「日本食」を出していて、牛乳は日本食に合わないからとの事である。
たしかに、日本食は世界遺産ともなり、世界に誇る健康食であると思う。しかし西欧の食にも素晴らしい食材がある。牛乳、肉、卵など、西欧食にも世界に誇る健康食がある。私は思う、これからの日本人の食は、日本食を基礎として、それに牛乳、肉、卵など西欧の誇る食を加える事と思っている。
私は家庭の事情で14才(昭和23年)から20才まで、叔父の家で養育された。当時、叔父の家では田畑の他、乳牛、馬、和牛、豚、ニワトリが飼育されていて、私はそれらの管理作業に叔父の手足となって働いた。叔父は独学で教員免許を取り、地元小学校教員、村長、農協長、県会議員を務めた人で、農業に乳牛を加えた、福井県酪農の先駆者であった。
昭和23年、地区内に北海道より乳牛の子牛を導入した。
乳牛導入の基本的な考え方は、
- 乳牛を導入し、牛乳販売による収入増
- 乳牛の糞尿を田畑に施し地力の増進
- 牛乳飲用による食生活の改善
叔父は大局を見誤らない人であった。私は昭和9年生まれ、今年80才である。子供の頃から青年期にかけ、日本食の貧困さと食糧難を経験し、食料増産に懸命に働いた。現在、日本人の体格向上、長寿など飛躍的に発動したのは、医学の発展と共に、日本食に西欧の、牛乳、肉、卵の食材を加えたものの「おかげ」である。私は日本食を基礎として、牛乳の飲用は50数年、欠かした事が無い。おかげ様で私の骨密度は20才台の平均を上回っている。
「牛乳のおかげ」である。
昨年、料理研究家、小山浩子先生の「乳和食のすゝめ」の講習会に参加した。今、乳和食が「深く静かに進行」している。これからの日本の食は、日本食を基礎に西欧の食の長所を取り入れていくべきである。