私の農業経営は稲作と酪農と直売所である。酪農は常時30頭ほど飼育している。
ただ、最近は飼料が高騰して苦しい経営である。その対策として水稲の転作割当分を、すべて飼料米の生産をしている。粉砕機で引き割りして乳牛に与えると嗜好性も良く、飼料費の低減になっている。
ただ、最近は飼料が高騰して苦しい経営である。その対策として水稲の転作割当分を、すべて飼料米の生産をしている。粉砕機で引き割りして乳牛に与えると嗜好性も良く、飼料費の低減になっている。
飼料米の生産について、私は15年前の平成11年に、県内農業者グループで組織する「あぜみちの会」の機関紙「みち」秋号(23号)に、飼料米の生産栽培を進めるべきと投稿した。要旨は、日本の穀物自給率の低下は我々畜産農家の飼料用の、大麦、大豆、トウモロコシの輸入が原因の一つである。
解決策の一つとして、転作田で飼料米を生産すべきである。飼料米の生産は稲作そのものであり、最も日本の風土に適している。最後に、日本の国土を救い、穀物自給率を上げるには飼料米生産しかないと結んでいる。
そのころ、県の農林部長と語る会や、JA福井市の理事会でも提言したが、あまり理解されなかった。しかし近年、飼料米生産が国政でも取り上げられた事は、本当にありがたいと思っている。十数年も経過してしまった。
私の尊敬する大先輩で、そさい園芸農家の武生の(故)川崎秀男氏は、20数年前に私に「農業の将来への展望など、先を読んだ提言をしても、実現は10年以上は先になってしまう」と嘆いていたのを思い出している。
彼の遺した農業への提言などを読んでみると、実に10年ほども先を見通しているのには、感嘆する。
今後は飼料米栽培の増収技術と品種改良である。将来かならず来るであろう世界の食料危機に、日本の飼料米(稲作)の技術、研究は必ず生きるであろう。
日本が世界に貢献できるのは「米」である。豊かな水と豊かな気候、そして高い栽培技術を持つ指導研究者と農家である。