ファームサルートからのお知らせ

ファームサルートからのお知らせ

(一)
昭和16年、村の国民学校(現小学校)に入学した。隣席のS君は何故か私の鉛筆や教科書を隠してしまうので憂鬱な毎日であった。最初の春の遠足に行かなかった。母が心配そうであったが行かなかった。何故か行きたく無かった。その後、体育の時間に相撲競技がありS君と対戦した。勝ってしまった。また50m走でも学年で1番だった。それ以来S君のイタズラは無くなってしまった。その頃、夏になると各村々の青年会主催の子供相撲大会に出場し、3人抜き、5人抜き、最高7人抜きで農具を商品としてもらった覚えがある。

(二)
中学1年の時、一級上にHと云う転校生が居た。2,3人の仲間をつれていて、気に喰わないものが居ると呼びつけて殴ると云う事を伝え聞いていた。そんな時、私が呼び出しを受けた。サーッと血の気が失せた。なぜ殴られるのだろうと思った。Hの仲間に連れられて行く時、殴られたらその手に噛み付いて離さないとの覚悟を決めてHの前に立った。血の気の失せた顔で覚悟を決めた気迫だったと思う。ところがHは「行け」と言って立ち去った。今も何故か分からない。

(三)
余談だが18才ぐらいの頃「一心館」と云う柔道場に農作業の後、夜2時間程通い6ヶ月で初段を習得し2段の先輩とも対等に戦えた。20才の時、東京の明治神宮外苑で開催された、全国青年相撲選手権大会に福井県代表で軽量級に出場した。そんな経歴が効を生じ、自称ヤクザを称するNは人々の前では大口を開くが、私と1対1になると従順そのものであった。