ファームサルートからのお知らせ

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5年前、77歳の春、地区の体育祭に参加した。年齢別男女混合リレーがあり、町内の体育委員から55才以上のリレーに出てくれと求められ出場した。第一走でのスタートである。6チームの走者が並んだ。「負けるだろうが、負ける気がしない」4番で2走にバトンをタッチ出来た。私と一緒に走った15歳ほど後輩から「名津井さんの馬力と健康は私の目標です」と言われた。

今、私にも目標がある。30年前に51歳の時、米国カリフォルニアの農業研修に県より助成金を頂き、9日間派遣させてもらった。日系と白人の9農場をバスで移動しながら研修した。その内の知野農場はメキシコ国境に近いデルマーという所で超高級住宅地にある。野菜生産農場で農場主は和歌山県出身の知野潤三氏で、当時92歳であるが凛として農場を電気自動車で案内してくれた。雑談の中で子供は9人(男7人女2人)すべて一流大学出身で、全員医師と弁護士であるそうだ。三男はアメリカ医学会の心臓医の権威だそうだ。子供の教育では全員農場で働かせて学校に通わせたと言う。また当時、知野農場の土地は百億円を下らないと言われるが、住居は木造平屋のトタン張りの超質素な住宅であった。92歳で農場主として第一線で働き、全米で知野さんはジーパン姿に縄バンド姿が有名で毎年テレビで放映され、ニューヨークタイムスでも話題になっていると言う。

知野さんは25歳(大正初期)に渡米し想像を絶する困難を「日本魂」を秘めて乗り越えたと言う。そして初心を忘れるなと言う。知野さんの92歳まで、私はまだ11年ある。それ以上に農業に従事したいと秘かな目標を目指している。