30才台の頃、稲作や畜産関係のほとんどの会に加入していた。故に会合などに出る事も多かった。そんな時、獣医師で県家畜保健衛生所に勤務する12才年長のK先輩と雑談の機会があった時、私は日頃の各会の不満を述べた。「無駄な会が多く、もっと効率の良い会に再編成すべきだ」と言ったら、K先輩は「いや違う、無駄の積み重ねの中にこそ必ずヒカルものがあるはずだ、無駄の積み重ねが大事だ」と言われた。そんな頃、ある雑誌で「つまらない会であっても、良く振り返り見れば必ず得るものがあるはずだ」との一文を読んだ。それ以来、時折、一日を振り返りみると必ず何か得るものがある事に気がついた。
余談だが、3~4年ほど前に書店で「丹羽長秀一代」と第する新刊本があり、手にしたら著者がK先輩であった。16年かけて86才の時に発刊された452頁の労作である。年賀状に拝読した旨を記した。早速連絡があり、大変よろこんでくれて福井市の片町のスナックに誘われた。
今は故人となられたが、K先輩の教訓は私の中に生きている。