ファームサルートからのお知らせ

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先日、畜産関係同志での研修旅行が開催された。昨今の世情からやや気重く、いやいや参加した。その中で富山県高岡市の瑞龍寺を訪れた。中年の坊さんに案内してもらった。総門を入ると真正面に二重屋根の大きな山門が目に入る。山門の大屋根は下の屋根と同じ幅に設計されている。雪が大屋根から落ちる時に下の屋根に落ちないようになっていると云う。正面の大きな二重屋根の山門、右に浴室、左に東司(便所)、それを回廊で連いでいる。「山」と云う字に建てられているそうだ。また山門に一定の距離に近づくと、奥の佛殿が山門の中に息しに置いた様に見事に収まる。この瑞龍寺の建築の棟梁は「福井県人」だとの説明である。また法堂の左奥に加賀藩士の前田利長公を含めて4公1院の石廟がある。その石は笏谷石で造られている。福井の棟梁ならではである。

坊さんの説明の中で2つの印象に残った説明があった。1つは「便所」は汚れるから掃除するのでなく、「一番大事な所」だから一番きれいにするのだと言われた。坊さんは先輩から言われた時に「あっそうか」ぐらいであったが、自分が説明する立場になって、やっとその意味がわかって来たと話す。また加賀藩の前田家は戦国時代「戦わずして領土を守る」を実践して来たと説明があり、改めてその意味を噛みしめた。

研修旅行に参加して本当に良かったと思う。四・五十年前、大先輩から「どんなにくだらない会合と思っても、良く振り返り見ると必ず何か得るものがある」と教えられた言葉がよみがえって来た。