本年、テレビで自然災害による大水害が報道されている。私の地区も昭和23年、福井大震災で家屋全壊、1ヶ月後には九頭竜川左岸決壊で大水害、数年後に日野川右岸決壊による大水害を経験している。私の地区は、九頭竜・日野・足羽の福井の三大河川に囲まれた地で、昔から水害に悩まされて来た。明治の頃、衆議院議員の杉田定一先生によって堤防が構築された。その後、私の地区から市・県の地方議員として杉田定一先生を鑑として治水に心血を注いだ東郷茂三先生がいる。去る7月11日の地方紙「緑風」のコラムで筆者は「治水に心血を注いだ東郷先生は何と言うだろう」と記している。おそらく東郷先生は、上流にダムを造る。川幅を拡げ堤防を補強する。川底を掘り下げる。を言うだろう。私たちの地区は東郷先生に協力して川幅を拡げ堤防の補強で田畑を提供した。また川底を掘り下げるため底土を土地に客土として受入れた。また排水ポンプ場も建設された。その後は水害が無くなった。東郷先生は色々な反対意見を聞きながら政治家として大局的見地から解決をしていった。
現在、九頭竜川上流に九頭竜ダム、日野川の上流に桝谷ダムが完成、足羽川上流に足羽ダムが建設中である。足羽川ダム建設では大反対があったが、平成16年の大雨で足羽川左岸が決壊し福井市の南側が大水害を受けた。その後、反対論がピタリと止まってしまった。
先日、テレビで大阪知事を務めたこともある橋本徹氏が自然災害を避けるには「住まない・住まわせない」と発言していた。政治家としては失格である。日本列島は地震・雨・風・雪と云う自然災害を避けられない。自然と共生しながら、政治の力で災害を軽減は出来る。政治は特に大局的な視野が必要である。